家づくり論

お風呂のヒートショックに注意!

ねこちゃん
ねこちゃん
冬の入浴における事故は、交通事故よりも多いって知ってますか?
いぬくん
いぬくん
ヒートショックによるものだよね
すごく怖いね

1月22日の朝刊に「冬の入浴 ヒートショックに注意」という記事が載っていました
高気密・高断熱住宅を検討しているみなさんにも関係がある記事ですので、少し掘り下げてみたいと思います

消費者庁のデータ

消費者庁では、ホームページで「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! -自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が増えています-」と呼び掛けています
ホームページの資料に細かなデータが記載されていますので、それを見てみます

高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による事故者数の年次推移を見ますと、年々増加しており、令和元年では4,900人となっています(本記事の事故者は死亡者のことですが、表現が好ましくないと思い、あえて事故者としました、ご了承ください)
一方、交通事故での事故者数は、2,508人となっています
この4,900人は、浴槽内での事故者であり、実際の入浴中の事故はさらに多いと予想しています
入浴中の事故が交通事故の2倍もあるなんて驚きです

お風呂のヒートショック 発生数のグラフ左図は消費者庁資料から引用させていただきましたが、事故は1月をピークに、冬の寒い時期に集中して発生していることがわかります

また、事故者は年齢が上がるほど多くなり、女性よりも男性が多くなっています

事故時の風呂の温度は42、43度の高温浴が多いのが特徴です

どうも脱衣所が寒い、居間が寒いと高温浴をしたくなる傾向が強くなるというデータがあり

家全体が温暖(18度以上)なケースを1.0とすると、居間だけ温暖(居間が18度以上、脱衣所が18度未満)のケースでは1.75倍、家全体が寒冷(居間も脱衣所も18度未満)のケースでは1.77倍、高温浴をする確率が上がるとのことです

では、対策をどうすればよいのでしょうか
次のことを守ってください、とあります

  • お風呂の温度は40-41度に設定する
  • 脱衣所を温める
  • 居間を温める

今までのデータを見れば、その通りですが、それではなぜ事故が減らないんだ、と思ってしまいます

脱衣所が寒い家は多くあるのですが、入浴時に脱衣所をわざわざ温めるのは面倒くさくてやってない、ってことかなと思います
面倒くさいというのは、人のサガですよね

入浴時のヒートショックの怖さをもっと周知させなければなりませんが、家の断熱性の重要性を訴えることも重要と考えます

高気密・高断熱住宅の推進のために、もっと規格を厳しくできなのかなあ、と思います(せめて中国や韓国に負けないレベルにできないのだろうか)

すべての家が高気密・高断熱住宅、というわけにはいかないことは承知していますが、家の気密性や断熱性は住人の健康にも関りがあるということをもっと多くの方に知っていただきたいですね

我が家の場合

我が家の室温は、1月時点で20ー22度です
居間、脱衣所、お風呂は22度で、居間から一番離れた部屋が20度です
(エアコンの設定は22度、エアコンの温度センサーは居間にあります)

脱衣所ガラリ脱衣所にも床下から暖かい空気が出るようガラリがあり、室温をコントロールしています
このガラリは、脱衣所、トイレはもちろんすべての部屋にあり、家全体が均一温度になるよう設計されています

お風呂は41度に設定してあります(エコキュートです)
42度にすると、熱くて入れないですね

我が家のお風呂は、TOTOのサザナですが、今のお風呂はどのメーカーでも断熱設計がされており、お風呂が寒いっていうこともないです

前に住んでいた家は、お風呂に入るときは震えながら湯船に飛び込んでいたのですが、今はそのようなことはなく、本当に快適です
(前のお風呂は、天井から水滴が背中に落ちるたび、「冷てえ」って絶叫していたのを思い出しました)

お風呂から脱衣所へ出るときは、少し寒いと感じますが、震えるほどではありません

つまり、入浴時のヒートショックはなく、この環境が全自動で実現できています

高気密・高断熱住宅と健康

高気密・高断熱住宅で家全体が暖かくなると住人の健康状態も良くなる、とよく言われます

断熱性能が上がって暖かい家になることで、気管支の疾患が改善したとかアトピーが改善したという記事もあります(参考:断熱住宅.com

時々、高気密・高断熱住宅は健康に悪いという記事も見かけます
よくあるのは、高気密は「シックハウス」になる、断熱材が湿気をおびてカビだらけになる、という記事です

建築基準法では「シックハウス」対策のために、1時間に0.5回の全部屋の換気が義務付けられており、換気ができない家は認可が下りません
また、高気密になると換気が計画通りに行えるため、低気密な家よりも換気性能は高くなるのです
基本的に「シックハウス」を心配する建材を使用すること自体が問題であるとも思いますが・・
なぜ、高気密になると「シックハウス」の心配をするのか、私には理解できません

また、断熱材にカビが発生するというのは、結露計算ができていないためです
設計上に問題がありますので、みなさんはそういうことが無いよう前の記事を読んでください

結露のお話し
新築の結露対策結露は、窓に起きる結露、壁内部に起きる内部結露があり、また冬ばかりではなく夏に起きるものもあります。家づくりにおいて、結露対策は必須ですが、エクセルや専用ソフトで結露計算を行うことにより対策が明確になります。ここでは、結露発生のメカニズムを解説し、結露対策をどうしたらよいか提案します。...

まとめ

家は単に居住するところではなく、自身の健康を守るところですよね

今、家づくりを考えている方は、あなたとあなたの家族が健康に暮らせるよう理想の家を建てましょう!

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました

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