みなさんは、大壁(おおかべ)と真壁(しんかべ)を知っていますか?
私が家の施工をお願いした長野県塩尻市にあるコマツ住研さんは、家を建てながら仕様の細かなところを決めていきました
大工さんに「ここは大壁でいい?」と聞かれ、「大壁って何ですか?」とあたふたしたことがあります
今回は、少しマニアックですが、大壁、真壁とは何かを解説します
大壁と真壁の違い
大壁、真壁とは、この図のような柱と壁の構造を言います
上の図が大壁を表し、下の図が真壁を表します
木造住宅の壁において、壁が柱を覆っているのが大壁、柱が室内に露出しているのが真壁です
昭和の家は、ほとんど真壁でしたが、最近の家はほとんど大壁です
最近の家でも、趣のある和室にしたいという場合は真壁を用いることがあります
我が家も、新築する前の家は、昭和に建てた家でしたので、すべての部屋が真壁でした
今の新築の家は大壁の家になっています
大壁と真壁の特徴
・全面ボードで覆われるため、耐火性がよく、強度も高い
・壁を厚くでき、防音性がよい
・室内がすっきり見え、モダンで洗練されたデザインになる
・真壁と比較して価格が安い
・木材が見えるため、木の温かみと香りを楽しむことができる
・塗り壁にマッチし、純和風の部屋を作ることができる
・木に囲まれたリラックス空間を作ることができる
・大壁と比較して価格が高い
真壁にする場合、柱が見えるため、節がない化粧柱を使う必要があり、コストアップは否めません
昔の我が家は、すべての部屋が真壁で柱が見えました
よく親戚や知人から、この家はいい柱を使っている、高い材料を使っていると言われましたが、この理由が今になってわかりました
純和風の家で、真壁を多く使用した家は、かなりお値段が高いということですね
我が家もそうですが、最近の家は大壁が主です
純和風よりもモダン風な家を好む、コストを重視する、ということから大壁になっていると私は思います
耐火性が良い、強度が高い、防音性が良い、などのメリットも言われますが、これらはあとから付けた感があるのは、私だけでしょうか(笑)
真壁選択時の注意点
真壁にする場合、柱が見えますので、その柱は化粧柱にしておく必要があります
つまり、設計時に「ここは真壁にしてください」と図面に反映しておかなければなりません
あとから化粧柱をつけることもできますが、あらかじめ決めてい追た方が無難です
実は、我が家はちょっとした行き違いがあり、和室の化粧柱を後付けしました
どういうおさまりになるか、本当にドキドキしましたが、コマツ住研さんのご厚意により、問題なく収まりました
それが、仏壇の横にある五寸のヒノキの柱です
どうやって後付けするか見たかったのですが、夕方確認に来た時にはすでに柱はついていたため、その工程はわかりませんでした
さすが大工さん、と感心しました
なお、我が家の和室については、こちらの記事をご覧ください
また、我が家では何カ所か大壁でも真壁でもいけるように化粧柱を使ったところがあります
大壁と言うか、柱を見せることもできるようにした、という方が正しいのですが、結果的には大壁にしたところが多くなりました
せっかく化粧柱にしたのに、それを見せないのはもったいない、と思ったのですが、やはり大壁の方が外観上すっきりするため、費用よりもデザインを優先しました
みなさんは、私のように無駄使いをしないよう設計時に大壁にするか、真壁にするか、よく検討してください
まとめ
・全面ボードで覆われるため、耐火性がよく、強度も高い
・壁を厚くでき、防音性がよい
・室内がすっきり見え、モダンで洗練されたデザインになる
・真壁と比較して価格が安い
・木材が見えるため、木の温かみと香りを楽しむことができる
・塗り壁にマッチし、純和風の部屋を作ることができる
・木に囲まれたリラックス空間を作ることができる
・大壁と比較して価格が高い
大壁と真壁について、理解していただけたでしょうか?
建築用語はとっつきにくく、難しいところがありますが、一度覚えれば忘れないと思います(あまり役には立たないかな?)
両者とも一長一短ありますが、その特性をよく理解してみなさんの家へ反映してください
私は、家づくりの検討をしている時に、日本舞踊のお師匠さんの家の完成見学会へ参加することがありました
神座敷、下座敷があり、そのすべては真壁で、高級感あふれる和室でした
「こんな素晴らしい和室を設けるなんて、どんな職業の方ですか?」と工務店さんへ聞いたところ、「日本舞踊のお師匠さん」という返答に「なるほど」と納得しました
モダンな和室もいいけど純和風もいいなあ、とその素晴らしさに感心したのを思い出しました
今回は、ここまでとします
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました
では、また!